会話を記録するおすすめAIウェアラブル:2026年のトップ10ツールを比較

公開日:2026年6月18日 読了時間:約12分著者:Terrence Wang
会話を記録するおすすめAIウェアラブル:2026年のトップ10ツールを比較

顧客との電話、チームの打ち合わせ、廊下での意思決定、コーヒーを飲みながらの会話。一日中そんなやり取りが続き、いつの間にか、それが今後の計画のすべてを形づくっている。そういう働き方をしているなら、問題はもうおわかりでしょう。大切なことは口頭で話され、そのまま消えていきます。メモに残るのは、その一部だけ。記憶に残るのは、さらに少なくなります。

この問題を解決しようとしているのが、AIウェアラブルという新しいカテゴリーです。会議のためにつくられたものもあれば、日々の生活を記録するためのものもあります。さらに大きな目標を掲げる製品も、少数ながらあります。話した内容のすべてを、AIツールが実際に使える文脈・背景情報に変えることです。

私たちは2026年の主要な製品を実際に使い、本当に大切な基準で順位をつけました。どれだけ確実に記録できるか。記録した後に何ができるか。一日中身につけても快適か。そして、その場にいる人への配慮があるか。それぞれを比較していきます。

1. Memoket Gem

こんな人に最適:創業者、中小企業の経営者、会話を軸にビジネスを進める人。

Memoket Gemは、このリストの中で唯一、あるシンプルでありながら十分に重視されてこなかった考えを中心に据えたデバイスです。それは、「記録は始まりにすぎない」ということ。多くのウェアラブルは、会話を録音し、文字起こしを渡して、そこで終わります。Gemは、その先へ進みます。数日、数週間、さらには数か月にわたるあらゆる会話の情報をまとめ、行動につなげられる、整理された知見に変えます。

1週間分の顧客との通話が、改善すべきことをまとめた一つの資料になる。5人の候補者との面接が、横並びで比較できる採用資料になる。1か月分の提携に関する話し合いが、誰が何を約束したかを示す、明確な時系列の記録になる。この、複数の会話を横断して情報を統合・整理することこそ、ほかではまだ本格的に実現されていないものです。

身につけやすさも備えています。重さは約11gで、車の鍵よりも軽く、1回の充電で20時間以上使えます。装着方法は4通り。リストバンドとして、専用の併用バンドでApple Watchと一緒に、ペンダントとして、またはシャツにクリップで留めて使えます。録音中は赤いLEDが見えるので、周囲の人にも常に録音中であることがわかります。記録した文脈・背景情報は、MCPを通じてChatGPT、Slack、Notionなど、すでに使っているツールに直接届くため、新しいアプリの使い方を覚える必要はありません。

ただし:あえて常時録音にはしていません。ボタンを押して記録します。周囲の会話を操作なしで録音したい人もいるでしょう。Gemは、何を残す価値があるかを、自分で決めたい人のためにつくられています。

2. Plaud NotePin

こんな人に最適:身につけられるデバイスで、手軽に会議メモを残したい人。

Plaudは、AIによるメモ作成の分野で、特によく知られたブランドの一つになりました。同社が最初に発売したクレジットカードサイズのレコーダーは、AI文字起こし用ハードウェアの普及を後押ししました。NotePinはその基盤を受け継ぎ、より身につけやすいデザインを採用しています。ペンダントとして着けたり、衣服にクリップで留めたりと、一日の中でさまざまな方法で装着できます。

使い心地は洗練されています。録音は安定しており、文字起こしの品質も全般に高く、アプリは会話を要約、アクションアイテム、重要なポイントにうまくまとめてくれます。会議に頻繁に参加し、手作業でメモを取るより簡単な方法を求めている人には、その魅力がわかりやすいでしょう。

Plaudは、会議の種類に応じたテンプレートやAIによる出力にも力を入れています。会議の要約、面接・インタビューのメモ、プロジェクトの進捗報告などを、すばやく作成できます。多くの働く人にとって、それだけでも毎週かなりの時間を節約できます。

限界が見えてくるのは、会議が終わった後です。会話は、基本的にそれぞれ独立したままです。3か月間で同じ顧客と10回話しても、その関係の全体像が自然にまとまったり、一連のやり取りから長期的な傾向が示されたりするわけではありません。一つの会議を思い出す手助けには優れています。一方、多くの会話から浮かび上がる、より大きな流れの理解には、それほど重点を置いていません。

ただし:Plaudは個々の会議の記録に優れていますが、会話同士は、ほぼ切り離されたままです。顧客との関係、採用の過程、プロジェクトを数週間、数か月にわたって追うなら、情報をつなぎ合わせる作業は、引き続き自分で行う必要があります。

3. Limitless Pendant

こんな人に最適:一日の出来事を、検索できる記憶として残したい人。

Limitlessは、このカテゴリーで特に大きな目標を掲げる製品の一つです。会議を主な対象にするのではなく、日々の生活を記録し、整理する「第二の脳」をつくるという、はるかに大きな構想を追っています。

このペンダントは、会話や周囲の状況を継続的に記録し、後から自分自身の過去を検索できるようにします。誰かの名前、おすすめされたレストラン、何気ない話し合いで決めたことを忘れてしまった。Limitlessは、そんな情報を取り出せるようにすることを目指しています。

特に魅力的なのは、ソフトウェアの使い心地です。検索は使いやすく、文字起こしはわかりやすく整理されています。また、そのままでは失われてしまう情報を思い出す手助けに、ますます力を入れています。会話やプロジェクトを頻繁に行き来する知識労働者にとって、これは非常に大きな価値になり得ます。

課題は、身につけやすさと仕事への取り入れ方です。特に仕事の場では、誰もが毎日ペンダントを着けたいわけではありません。また、検索や記憶の機能は強力でも、記録した情報をプロジェクトの概要資料、採用評価、顧客に関する知見、関係の履歴といった、整理された業務資料に変えるには、多くのユーザーが依然として手作業を必要としています。

Limitlessは、何が起きたかを思い出す手助けに優れています。一方、その出来事を実際の業務に生かすことには、それほど重点を置いていません。

ただし:ペンダントという形は、好みが分かれます。気に入る人もいれば、一日中ネックレスを着けたくない人もいます。また、Limitlessは過去の情報を検索することに優れていますが、それを業務に役立つ整理された知見に変えるには、追加の作業が必要になることがよくあります。

4. Bee AI

こんな人に最適:手頃な価格で、周囲の会話を自動的に記録したい人。

Bee AIは、手頃な価格と、ユーザーが操作しなくても録音する仕組みを重視し、多くの競合とは異なる方法を取っています。いつ記録するかを意識的に決めてもらう代わりに、一日を通して寄り添い、役立つ瞬間を自動で見つけようとしています。

リストバンド型であることは、大きな強みです。ペンダントや専用の携帯端末と比べ、手首に着けるデバイスはなじみやすく、普段の行動を変える必要も、一般に少なくて済みます。朝に着け、その後は存在を忘れて過ごすユーザーも多くいます。

Beeのソフトウェアは、日常の会話からタスク、リマインダー、役立つ情報の断片を抽出することに重点を置いています。価格が低いため、このカテゴリーの中でも試しやすい製品の一つです。特に、AIで記憶を補うツールには興味があるものの、まだ大きな出費はしたくない消費者に向いています。

その代償となるのが、常に音声を聞き取る仕組みです。継続的な記録には、同意、プライバシー、職場でのマナーに関する実際上の課題が伴います。顧客対応の仕事、医療、コンサルティング、採用、営業の場では、何をいつ録音するかを、もっと明確に自分で管理したいと考えるユーザーも多くいます。

周囲の会話を常時録音することに抵抗がない人にとって、Beeは、操作せずにAIへ記憶を蓄える仕組みが、どのように発展し得るかを示す興味深い製品です。

ただし:常時録音は、仕事の場で気まずさを生むことがあります。録音データが適切に扱われていても、デバイスが常に聞いていると知ることで、顧客、同僚、面接を受ける候補者の多くが、落ち着かなくなる可能性があります。

5. Otter.ai

こんな用途に最適:予定された会議の記録と、チームでのメモ共有・共同編集。

Otter.aiは、AIウェアラブルが広く使われるようになるよりずっと前から、AI文字起こし市場の形成を支えてきました。多くのチームにとって、今もZoom、Google Meet、Microsoft Teamsの通話を録音する際の定番です。

強みは明快です。設定が簡単で、文字起こしの品質も安定しています。共同作業の機能を使えば、チームでメモ、コメント、ハイライト、アクションアイテムを共有できます。追加のハードウェアを必要とせず、既存のワークフローに組み込める点も特徴です。

リモートでの業務を基本とする企業なら、それで十分なことも多いでしょう。重要な会話の大半はすでにビデオ通話で行われており、Otterはそのやり取りを効果的に記録します。

限界が見えるのは、仕事が会議室の外に広がったときです。意思決定は、昼食中、廊下、移動中、あるいはカレンダーで招待を送ることのない会話の中でも行われます。Otterが基本的に最適化されているのは、予定されたオンライン会議であって、現実世界で続いていく日々のやり取りではありません。

それでまったく問題ないユーザーも多くいます。一方で、一日の仕事のかなりの部分が、実際には記録に残らないことになる人もいます。

ただし:Otterがいるのは、会議の場だけです。プロジェクトを前に進めるきっかけになりやすい、予定外の会話。廊下での立ち話、顧客との昼食、短い電話、カンファレンスでの交流などは、通常、ナレッジベースに入りません。

6. Granola

こんな人に最適:一日の大半をビデオ通話に費やす人。

Granolaは、創業者、投資家、事業運営の担当者、知識労働者の間で、熱心な支持を集めています。驚くほど多くの人が抱える問題を解決しているからです。毎回の会議に、AIボットが目に見える形で参加してほしい人はいません。

その代わりに、Granolaはデスクトップ上で静かに動作し、手元のパソコンで音声を聞き取り、通話の邪魔をせずに会議メモの作成を支援します。使い心地は軽快で洗練されており、意図的にシンプルに設計されています。

ユーザーからは、その速さと使いやすさがよく評価されています。長大な文字起こしを読ませて負担をかけるのではなく、後から見返しやすい、簡潔な要約や役立つ情報の出力を重視しています。

ただし、対象はあくまでパソコン上の会議です。最も大切な会話が、移動中、顧客との対面の打ち合わせ、オフィス間を歩いているとき、イベントでの交流中に交わされても、Granolaはそこにはいないため、記録できません。

現在利用できる会議ツールの中でも、特に優れたものの一つです。それでも、会議のためのツールであることに変わりはありません。

ただし:Granolaの最大の強みは、そのまま限界でもあります。パソコンのために設計されていることです。最も重要な会話がデスクを離れた場所で起きるなら、Granolaでは記録できません。

7. Fireflies.ai

こんな組織に最適:会議から得た情報や知見を、検索して活用したい組織。

Firefliesは、文字起こしツールから、会話を分析して活用するための、より幅広いプラットフォームへと進化してきました。会議を録音し、要約を生成し、アクションアイテムを抽出するほか、大量の会話を横断して検索できます。

最大の強みの一つは、連携機能です。Firefliesは、CRMシステム、共同作業プラットフォーム、生産性向上ツール、コミュニケーションソフトウェアとつながります。営業チーム、カスタマーサクセス部門、大規模な企業には、特に魅力的です。

複数の会議にまたがる傾向をチームが見つけるのに役立つ分析機能もあり、単純な文字起こしソフトウェアより高度な活用ができます。

ただ、そうした知見の大半は、やはり予定されたオンラインのやり取りから得られるものです。多くの会議アシスタントと同様、Firefliesは会話に招待されることを前提としています。画面の外で行われる会話は、通常、記録されません。

ZoomやTeamsの中で業務が完結する組織なら、この限界に気づくことはないかもしれません。現実の現場での活動が多いチームは、しばしばそれを感じます。

ただし:Firefliesは予定されたオンライン会議で力を発揮しますが、会話に招待される必要があります。現場で過ごす時間が長いチーム、顧客と対面で会うチーム、複数の拠点を行き来して働くチームでは、多くの文脈・背景情報が記録されないままになります。

8. Rabbit R1

こんな人に最適:AIを中心に設計されたハードウェアに関心のあるアーリーアダプター。

Rabbit R1は、大きな注目を集めて登場しました。単なるメモ用デバイスを超え、人とAIとの関わり方そのものを考え直そうとする試みだったからです。

コンパクトな独立型デバイスに、音声でのやり取り、タスクの実行、情報検索、AIによる支援をまとめています。一つの用途に特化するのではなく、持ち歩けるAIの相棒になろうとしているのです。

その大きな目標は、強みであると同時に課題でもあります。幅広いタスクをこなせるため、新しいインターフェースやワークフローを試すことが好きなテクノロジー愛好家には、心を引かれる製品です。

一方で、会話の記録は、はるかに大きな構想の一部にすぎません。記憶を確実に補うこと、会議の記録、長期間の会話の分析・活用を特に求めるユーザーには、それらの用途だけを目的につくられた専用製品ほど、特化した使い心地ではないと感じられるかもしれません。

このリストの多くのデバイスとは異なるカテゴリーに属していても、Rabbitは、AIハードウェアの中で特に興味深い試みの一つであり続けています。

ただし:Rabbitは、多くのことを同時に実現しようとしています。会話の記録と長期的な記憶の補助を特に求めるユーザーには、その用途に絞ってつくられた製品よりも、焦点が定まっていないと感じられることがあります。

9. Humane AI Pin(過去の製品)

こんな用途に最適:AIウェアラブルというカテゴリーが、どう進化してきたかを理解する。

Humane AI Pinは、現在、ほとんどの購入者に積極的におすすめできる製品ではありません。それでも、AIウェアラブルの歴史における重要な節目であることに変わりはありません。

音声でのやり取り、AIによる支援、投影式の表示、クラウドと連携する知的な機能を通じて、スマートフォンの多くの機能を置き換えようとしました。AIを根幹から組み込んだ、本当の意味での個人向けデバイスをつくる、初期の大きな試みの一つでした。

構想は大胆でした。実現は難しいものでした。バッテリー駆動時間、使いやすさの課題、性能上の問題、日常でどんな価値があるかのわかりにくさが普及を妨げ、最終的に幅広い支持を得ることに苦戦しました。

それでも、Humaneの歩みは、後に続いたほぼすべての企業に影響を与えました。ユーザーは、すでに持っているものすべてを置き換えようとするAIハードウェアを、必ずしも求めてはいない。そのことを示したのです。現在成功している製品の多くは、むしろ特定の問題を、非常にうまく解決することに集中しています。

そういう意味では、Humaneの最大の貢献は、何をすべきでないかを業界に示したことだったのかもしれません。

ただし:2026年の時点で、現実的な購入の選択肢ではなくなっています。現在の意義は、実用性よりも歴史的な点にあり、AIハードウェアの進化における重要な教訓となっています。

10. スマートフォンのボイスレコーダー

こんな用途に最適:追加費用をかけずに、ときどき録音する。

最もシンプルな解決策は、今も、すでにポケットに入っているものです。

現在のスマートフォンには、驚くほど高機能な録音、文字起こし、ボイスメモの機能があります。標準アプリでも、他社製ソフトウェアでも、多くの人は追加のハードウェアを買わずに、数秒で会話の録音を始められます。

たまに使うだけなら、これで十分かもしれません。学生、ジャーナリスト、研究者、さまざまな仕事に携わる人たちは、何年も前からスマートフォンを使い、インタビュー、会議、重要な話し合いを記録してきました。

課題は、安定して使い続けられるかどうかです。スマートフォンを取り出すと、会話の場の空気が変わります。バッテリーの電力は、録音だけでなく、ほかのあらゆる用途にも使われます。着信、通知、気を散らすものが、録音の妨げになります。そして、用途があまりに多いため、記録した情報は、何千ものほかのファイルやアプリの中に埋もれてしまいがちです。

スマートフォンは、今も比較の基準となる存在です。専用のAIウェアラブルがあるのは、多くの人が、汎用デバイスでは得られない、もっと手間が少なく、目立ちにくく、用途に合ったものを求めているからです。

ただし:スマートフォンでの録音は、何も気にせず行えるものではありません。通知が割り込み、バッテリー残量が気になり、着信によって録音が中断されることもあります。また、会話の途中でスマートフォンを取り出すと、やり取りが改まったものになり、自然さが失われることがあります。